大腿骨頭壊死症専門の療法院 健康ライフやすらぎ

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大腿骨頭壊死症とはどのようなものか?

大腿骨頭壊死症とはどのようなものか?

大腿骨頭壊死症は、大腿骨の上端にある「大腿骨頭」が壊死する症状です。動脈に血液の詰まりが起きると、栄養や酸素を送ることができなくなり、詰まった先の器官が機能不全を起こして細胞死を起こします。これが壊死といわれる症状です。

壊死は体のどこでも起きます。心臓に起これば心筋梗塞、脳に起これば脳梗塞、腎臓に起きれば腎機能不全、肝臓に起きれば肝機能不全となります。たまたま骨頭血管に梗塞が起きたら大腿骨頭壊死症となるわけです。

大腿骨頭壊死症の痛みと歩行評価

壊死が進行し、大腿骨頭が潰れると痛みが出ます。その痛みと歩行の可否の目安を表にまとめました。

大腿骨頭壊死症の痛みと歩行評価

発症した方の意識と感情の変化

医師から大腿骨頭壊死症の発症を告知されたときの衝撃的な感情と思いは次のようです。

  • 頭が真っ白になった
  • 生活をどうしよう
  • 子供の教育はどうなる
  • 職場に何と言おうか
  • 人工関節はいやだ

精神的に強い衝撃を受けるのは告知内容が希望の持てない内容だからです。

  • 大腿骨頭壊死症は難病で良くならない
  • 経過観察しかなく治療手段はない
  • 病状が進行したら、手術しかない

大腿骨頭壊死症の発症原因

プラークによる血管栓塞

  1. 動脈の血管障害により動脈の内皮細胞に発生した粥状生成物(プラーク)が血管内腔に梗塞を起こす。
  2. 脂肪の代謝異常で脂肪細胞が破壊され大きくなった脂肪球が動脈内腔を塞いで起き入る梗塞。

血管内皮細胞に粥状生成物を起こすのは、ステロイド、アルコール、タバコの体内代謝物が出す活性酸素による血管内皮細胞の炎症が発端となります。脂肪の代謝異常は、体質的なものと共に、栄養過多と運動不足が大きな原因です。

主な血管障害発生要因

ステロイド

アルコール

タバコ

肝臓障害

脂肪代謝異常

極端な低栄養

一般的に知られている治療法

大腿骨頭壊死症の症状が進行すれば、一般的には外科的な治療を選択することになります。当院は医療機関ではないので、専門書により基礎知識として外科的な治療法を要約します。
※金芳堂刊 特発性大腿骨頭壊死症 Ⅳ治療より要約

関節温存法
① core decompression
大腿骨頭の骨孔をあけることで骨髄内圧を下げることにより鎮痛と血流改善が見込まれる。ごく初期の大腿骨頭壊死症に適用されるが効果は確率的。

② 血管柄付き骨移植術
腓骨を採取して大腿骨頭に移植する方法。骨折のない初期の大腿骨頭壊死症に対しては効果は良好であるが、手技のむつかしさ、合併症の発生。臨床的成功率などから限られた施設での治療法となる。

③ 大腿骨内反骨切術
壊死が中程度進行したレベルで大腿骨外側の健常部を壊死のある荷重側に移動させる骨切術。手術の侵襲度が比較的低く手技は単純であるが、脚短縮が起きる欠点がある。

④ 大腿骨頭回転骨切術
壊死部が骨頭前部に限局して健常部が骨頭の1/3有る場合は前方回転で再建し、壊死部が後方に位置する場合は後方回転で再建する。後方回転は関節の安定性が良く壊死部が荷重部に移動しないなどの利点がある。

回転骨切り術

人工骨頭置換術

人工骨頭置換術

大腿骨頭壊死症の進行が進み、骨頭崩壊が進んだ場合や60歳以上の高齢者あるいは壊死範囲が広範囲の場合に骨頭を人工骨頭に置換する。

この場合、股関節骨盤側軟骨の損傷がないことが重要です。損傷のある状態で人工骨頭に置換した場合、術後、鼠径部痛や人工骨頭の位置ずれが発生する。

人工股関節全置換術

人工股関節全置換術

大腿骨頭壊死症の進行が進み、骨頭崩壊が進んだ場合の適応は人工骨頭置換と同じであるが、若年者に対して優れた術式である。

人工骨頭と摺り合わせとなる受けを股関節骨盤側に固定して、軟骨損傷により発生する鼠径部痛を回避できる。

脱臼、摩耗、破損により再手術を繰り返すリスクはあるが、耐摩耗性及び安定性の改善した材料やデザインが開発されている。
外科的な治療法に対する健康ライフやすらぎの見解
金芳堂刊 特発性大腿骨頭壊死症によれば、医療側も、関節温存手術や人工関節置換術に対しては慎重な治療方針を堅持しています。経過観察や鎮痛剤投与あるいは骨そしょう症治療薬ビスフォネート製剤投与で自然修復や骨頭崩壊予防、崩壊時期の遅延が図られると記述されている。
ところが現実は、経過観察が主であり精々鎮痛剤処方、ビスフォネート処方がなされる程度で有り、改善方法はないと突き放した見解を患者に告知するケースが大部分です。

金芳堂刊 特発性大腿骨頭壊死症の編集者は、厚生労働省の特発性大腿骨頭壊死症研究班を構成する著名な医師たちですので、わが国の医療としては、自然修復、骨頭崩壊予防、崩壊時期の遅延を公式に認めていることになります。経営としての医療現場には、温存療法を積極的に行うという意識レベルは低いといわざるを得ません。

それは、人工関節置換術で得られる利益と、温存療法によって得られる利益を二者択一した場合に経営利益を追求せざるを得ない医療側してはやむを得ない選択でかもしれません。
健康ライフやすらぎでは、毎年、大腿骨頭壊死症の方による情報交換会を開き、公平を期すために人工関節置換術を成功した方のお話も伺いました。その後のアンケートでも、誰一人、人工関節置換術をしたいと希望する方は居られませんでした。

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